このめでたい門出の日に - 2/5

「姫君いィッ、貴女様の、ああ、きれいな新品胤壷に、この王族でもなんでもない下賤軍馬が真っ先に割り込み種付けさせていただきますから! 隅々まで種汁注ぎ込んで穢して、熱い発情肚を受精させて、誰とも結婚できなくしてさしあげますよッ。私以外の種汁と肉棒では満足できなくなるように、獣の肉の味を刻み込んでやる! 私専用の種壷エロ姫におなりなさいっ!」
「んあっ、ふああっ、いやああっ! これ以上いやらしいこと教えないでぇ、初めてなのにぃっ、変な癖ついちゃ、ああっ、下種と蔑んでた脳筋軍馬に無理矢理犯されて、大事なおんなのこの部分を乱暴にされて、んあはぁっ、王子しゃまとおぉ、結婚、できなくなるううっ! ここぉ……ンんっ、貴重な、王族専用胤壷なのに、種馬雑汁捨て壷に……んふぅ――ッ」
 騎士長は高貴な新品胤壷をどっぷりと種馬汁で沈め、種壷に貶す。
 そして自慰によって現世の騎士長が果てるとき、脳裏の王女は快感の涙を流しながら実に切なげな顔で必ずこう言うのだ。
「イヤっ、いやあんっ、やだ、やあ、や、や、こわい、なにかくるのぉっ、あ、あはぁっ、騎士長しゃまぁんッ! すき、すきいぃっ」
 王女は甲高い声で鳴きながら、騎士長の下で陵辱種付け絶頂に小さな身体を強張らせるのだった……。
「ふう、姫君……」
 一度埒をあけるだけでは馬並みの性欲は飽き足らず、大抵は二戦目へと突入する。
 騎士長が魔羅を引き抜くと、王女の軟な種壷は大量に詰め込まれた彼の種汁をどぽっと吐く。
「はへっ、ほへあ、あンッ、こぼしちゃった、あ、もったいない……。騎士長様の、種馬汁ください、あいしてますの、あいしてますからっ、どこぞの馬の骨なんかではなく、あなた様と結婚しますからッ、わたくしの種壷捧げますからッ」
 騎士長に執拗に性的に躾けられ種汁の味をしっかりと覚えさせられた王女は、また尻を高く掲げて騎士長を誘うのだ。
「ぉごっ、きたっ、中っ、入ってぅ、あううっ、凶暴軍馬ペニス、あふっ、はひっ、溺れちゃう、あはあぁんっ、わたくしの大事な場所、乱暴にされて、いやらしいこと憶えさせられて、こわれちゃうううンッ」
「あっあっあっあっ、軍馬ザーメンで奥突かないでぇ、ん、あ、これすき、馬種付けすきいぃッ! おとうさまッ、あん、ごめんなさっ、大事にいぃ、だいじに育ててくださったのにぃ、あん、わたくし荒っぽい下種軍馬ペニスの乱暴の虜にいぃ……ッ! 自分から進んで乱暴されてるのぉ、騎士長様に種壷暴行されないと、わたくしきもちよくなれないのぉ」
 そして王女は騎士長の種汁で膨らむ腹を撫で、「あ、ああンッ、責任とりますわ! あなたをこんな風にわたくし専属種馬暴行魔にさせた責任んっ、とって、んあーっ、もっと使って、使い潰していいですからぁ、わたくしのおひめさま種壷ぉ、ねばねばこってり馬種汁で満タン充填してぇ」泣きながら騎士長との肉の交わりを悦ぶのだ。
 なんと都合の良い妄想であろうか。しかし妄想とは得てしてそういうものである。そしてこと騎士長に関しては、肉交の経験など一度もない癖に、妄想とその中で燃やす執念だけは一人前以上であった。
 二度、三度と勃起を鎮め、最後の射精に至る妄想では、王女はとうとう騎士長の疲れ知らずの魔羅を口に含んで彼を慰めようとする。
「ん、ふぅ、騎士長様ぁ、あなたの男の気をすべて、わたくしにください。この哀れな淫売に。あなただけの種壷にしてくださいませ」
 騎士長はそんな罪深く穢れた雄の妄想を毎度懐き、鳥の嘴で木に縫い止められた瀕死の芋虫のように身体を浅ましく床や壁に擦り付けていたのだ。
 性妄想の中では王女をこう悪し様に扱ってはいるが、本気で陵辱したいというわけではない。現実に愛し合うことになった暁には、ちゃんと大事にすると決めている。挿入などという即物的な交わりをするつもりはない。大体、王女の小さな身体では受け止めきれないだろう。脳筋下種軍馬とはいえ、その辺はきちんと弁えているのだ。
 まずは清い接吻をして、互いの身体を愛撫して睦み合うのだ……。そんな機会は逆立ちしても与えられないだろうが。
 果てた後には、床に散って饐えた悪臭を放つ種汁を処理しながら、王女を自慰の火種として想像の中でとはいえ盛大に穢した事に暗澹たる気持ちになり、もうそんな事はすまいと決意するのではあるが、とかく騎士長の下半身の意思は弱かった。どうにも欲望がちらつくと本能が勝ってしまうのだ。特に疲れた夜には。そんな夜には泥のようになって眠る前に、床に崩れ落ち一心不乱に腰を振る。
 青いという形容が似合う程の若さは精神的にも肉体的にも、もうとうに失われていたが、脂の乗った雄の盛である事に変わりはない。そうして時折身体から欲を抜いてやる必要はまだまだあった。
 王女の目の前だというのに、その悪い癖が出てしまったというわけだ。
「まあ、騎士長殿」
 王女の視線の先と、唇に手を当てる仕草から、彼女が何を見て、そしてそれについてどう思っているのか想像に難くなかった。男の欲望から遠ざけて育てられたとはいえ、騎士長が何をしているかはわかろうもの。
「ああッ、も、申し訳ありませんっ」
 騎士長は顔をこれ以上ないくらい赤く染めて立ち上がった。一方で、お預けをくらった肉棒も後ろ脚の間でふてぶてしく立ち上がったままだ。粘度の高い先走りが地面と肉棒の先端を繋ぎ、我慢しているせいか先走りが断続的に尿のように迸る。浅ましい肉体を恥じて騎士長は顔の朱を深めた。
「騎士長殿が謝ることはないのです。その欲求は生き物として真っ当なものですわ。わたくしもよくわかります。どうか、そのままでいてくださいね」王女が騎士長の馬体の下へと潜り込む。「あなたが膝をついたらわたくし、潰れてしまいますから」
 王女が何をするつもりなのか狼狽する騎士長であったが、その疑問はすぐに解けた。
「あ、ああっ、なりません、そんな所に触れては!」
 王女の手が騎士長の怒張に絡まる。彼女は先端からだだ漏れの先走りを手に掬い、土にまみれた騎士長の竿に塗りつけてゆく。
「楽にしてさしあげる。あなたご自分で触れることはできないのでしょう。それは辛いわ。わたくしも自分で慰められなかったらと思うと……」
 逆手に竿を握った王女の手が大きさや形を確かめるように蠢く。
「大きくていらっしゃるのね。手に余ってしまいます。これではあなたと愛し合う女性は大変ですこと。まあ、あなたがお好きになるのは人間の女とは限らないのでしょうから、余計なお世話ですね」
 人間だ、それも貴女だ!
 騎士長はその言葉を飲み込んだ。あけすけに心情を吐露するのは気が引けたし、下半身に奔る刺激にそれどころではなかった。
「う、む、姫君、姫君どうか、おやめください、そんな」と、言いつつも抵抗しないのだから、騎士長も大概弱いものだった。乾いた唇をゆるく噛み、少々物足りない刺激に生温い吐息を漏らす。「ふう、うう」
 女の、それも王女の力ではこの程度なのか。もう少し手荒にしてくれてもまったく構わないのに。その絶妙な塩梅は女には一生わからないだろうが。
「あまり感じませんか? わたくしはこれくらいでも少し痛いのですけれど……。やはり大きいと、それに比例して感じにくくなるのでしょうか」
 騎士長の考えをすべて見抜いているかのように王女は言う。
「もう少し強くしても騎士長殿には程よさそうですね」
 そう言うなり、王女はまるで牛の乳でも搾るかのように指を人差し指から小指へと順に強く握り込む。
「うんんんッ!?」
 軍馬の引き締まった臀が跳ね上がる。
「城下で牛のミルク搾りを教わった事があります。あなたも一緒にいらしたでしょ? わたくしの手付き、上手だと褒めて下さった事、よく覚えています。さあ、出してくださいな」
 怒張が震え、そこから生み出される痺れるような快感が背骨を撃ち抜き、鎧の下で艶めく鹿毛が逆立つ。
「姫君、はほぅっ、搾ッ、うあ、あ――!」
 後ろ脚がみっともなく内股に入り込み、ガタガタと震える。いかな強大な魔物や大量の敵軍の前でさえ震えた事はなかったというのにだ。股ぐらに王女さえいなければ、さっさと脚を折っているところだ。
「うっ、ふうぅ、むうっ、んあああ! ご、後生です、ああッ、んお、お、おやめくだ、むああ゛ッ!」
 騎士長はランスを地に刺し、それに取りすがって快感に喘ぐ。
「わ、わたひ、あ、牛じゃなッ、馬ぁ、それにっ、そこ、乳じゃ、んっほ、お」
 時折王女の首筋や胸元に当たるのか、長い怒張の先端が滑らかな女の肌を掠める。王女のほっそりとした首筋や形のよい胸に自分の肉棒でぬめる先走りを擦り付け穢しているのだと思うと、背徳的な感覚に胸が焦げる。夜毎の自涜の感覚によく似ていた。
「なかなか出ませんのね」
 ミルク搾りに飽いたのか、王女は追い上げるように騎士長の根本から先端までを長いストロークで扱きはじめた。太く長く、赤黒い肉の棍棒を両手で掴み、綱でも登るかのように手酷く扱く。
 しっかりと半日分の種汁を溜め込んだ張りのある睾丸が暴れ、種汁を砲弾のごとく肉砲から打ち出そうとする。ここまでくれば、もう終わりは見えていた。
 最期に先端を王女に咥えられ、舌で際をなぞられ吸い付かれる。王女の口腔の粘膜の心地よさといったら。
「オ゛ッ、おあっ、んおお、あ、出る、出るううっ!」
 とうに枯れ果てたと思っていた涙が頬を伝った。己を咥え込んでいる王女を気遣う余裕はない。
 とうとう辛抱能わず、濡れた破裂音がしそうなほどに騎士長はたっぷりと濃い種汁を撃ち放った。
「おほ、ほぉう……」
 騎士長は絶頂に身体の髄から打ち震えたが、すんでの所で倒れ込むのだけは我慢した。
「こぷ、けふっ」
 射精の瞬間ひくつく先端を口に咥えていた王女が愛らしい小さな悲鳴をあげる。
「姫君!」
 王女が自分の欲望を口に含んでいた事を思い出し、騎士長が身体を反転させて彼女を見れば、彼女は騎士長が吐き出した種汁に溺れそうな程だった。