Deprecated: Function create_function() is deprecated in /home/e-c-bp/public_html/wp/wp-content/plugins/php-code-widget/execphp.php on line 62    大司教のいとも絢爛なる饗宴 | 食べて、呪って、変をして、
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大司教のいとも絢爛なる妙愛

2013/08/20 公開  所要時間:約 13分13秒

三日三晩に渡る大饗宴は大成功。大司教はその料理長を前にして労いという名の……。ずっと大司教のターン!→やっぱり料理人のターン!

「見たか、あの口惜しそうな顔!」
 客の失せた広い大司教邸の食堂で、その主は真っ赤なワインを舐めながら目を細めた。
 その男は人の幸せよりは他人の不幸を悦ぶ男だった。自身でもそう公言して憚らず、聖職者の風上にも置けぬ、と正義感の強い人間からは唾棄されていた。本人にとっては、そんな言葉も態度も屁でもなかったが。
「いいえ、わたしはずっと厨房にいましたもの」
 大司教の後ろに張り付いている白い影が囁くような声で答えた。
 それは小柄な青年で、大司教邸で働く料理人であった。
「ああそうだった」
 大司教はグラスを全長二十フィートは……[本文へ »]


大司教のいとも絢爛なる霊感

2014/01/24 公開  所要時間:約 16分19秒

大饗宴の夜の出来事からしばらくの後。大司教に想いを告げた料理長は今更羞恥に苛まれていた。しかし大司教はそんな事さっぱり気にしていないのだった。

 高い高い伽藍に清廉な讃美歌がこだまする。低い声高い声、百を超えるそれらがまるでタペストリーのように折り重なって、重厚だがそれでいて天井まで突き抜けてしまいそうな清らかな響きとなっていた。その中には一等よく響く低音があって、それはすべての経糸と緯糸を統制する杼なのだ。そしてその杼を操っている人物こそが、天に献上する織物を造り出す職人のようであった。
 天の声のように頭上から降りてくるその杼を追って天を見上げると、淡い色使いの雲が湧いていて、その合間から天使やら黄金の馬車やらがタベルナを見下ろしていた。実に芸術的な天井画であった。
 そしてそのまま声にいざなわれるように光差す……[本文へ »]


大司教のいとも絢爛なる幸運

2014/12/28 公開  所要時間:約 24分10秒

厨房は神聖な場所。そう言って厨房では料理長は大司教に絶対に身体を許さない。ではどこでならするのかというと、「やどりぎの下でならキスでもなんでもしますよ」。料理長はそんな言葉を吐いた事を後悔する羽目になるのだった。

 魔術師のようにふわっと布巾を取り去ると、その下の生地は貴婦人の補正下着のようなパン型の中で豊満に膨らんでいた。粉の量も、岩塩の塩梅も、発酵中に果物から染み出てくるであろう水分量の予測も完璧だったようで瑕疵の一つもない。
 そんな自身の会心の技術にタベルナはにんまりと笑った。タベルナだって人並みに自画自賛くらいはする。ただ、いつも謙虚でいる事を心掛けているから口には出さないだけで。
「自惚れ屋。にやにやするな。それくらい余だってやろうと思えばできる」
 だが竈の上に銀盆を渡して卓の代わりとしながらワインを舐めている大司教には見透かされていたようだ。竈の……[本文へ »]




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