Deprecated: Function create_function() is deprecated in /home/e-c-bp/public_html/wp/wp-content/plugins/php-code-widget/execphp.php on line 62    嫉妬深い彼 | 食べて、呪って、変をして、
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頭痛持ちの彼

2013/06/16 公開  所要時間:約 14分25秒

妻のために、屋敷で夜会を開いたドゥーベ氏。しかし妻が若い男たちにちやほやされるのが気に入らず、無理矢理さらって部屋に連れ込むのですが……。

 ドゥーベ氏は頭痛にこめかみを押さえた。
 過多な蝋燭の明かりと大勢の人々、大広間に反響する喋り声、それと混ざり合って凶悪な騒音をまき散らす室内楽、体臭と混ざり合って吐き気を誘う香水の香り。ドゥーベ氏の頭痛を誘発するすべての因子がそこに揃っていた。こんな時は、暖炉のほの灯りか青白い月明かりだけの薄暗い部屋で、愛する妻イザドラに優しく抱擁されながら、彼女の仄かな蜂蜜のような香りを嗅ぎ、その薄い胸に頭を乗せ彼女の冷たい手でこめかみを撫でてもらうに限るのだ。どんな薬だってこれに勝るものはないと彼は思っていた。
 だが今回の頭痛の種の殆どはイザドラにあった。壁に凭れた彼からやや離れ……[本文へ »]


寂しい時の彼

2013/06/16 公開  所要時間:約 27分45秒

仕事で一週間屋敷を留守にすると妻に言う夫。そこで妻が心配したのは夫の体調ではなく、自分の性欲処理をどうするかという事。自分で慰める術を知らない幼い妻に、夫はその方法を教えるのですが……。

 どうしてこうなった。
 ドゥーベ氏はチッペンデール様式の紫檀の執務机の端の装飾を掴み、上体を屈めながらふと思った。髪の生え際からは汗が間断なく生まれ出てきて、額を濡らす。机ごと大きな身体を揺さぶられて、机の上の燭台と本がタランテラを踊る。こうなる寸前に纏めた書類がばさばさと音を立てて床に落ちて行く。インク壺が倒れ、机に置いてあった羽ペンに黒い腑をつける。
「はっ、ふはっ、んむぅ、っく、くは、あ゛……」
 光沢のある表面に、激しい緊張と官能で粘度の高くなった唾液がとろりと滴る。
 背後の窓の外からは馬車や騎馬訓練の輻輳が、廊下からは忙しく駆け回る部下達の……[本文へ »]


正夢の彼女

2013/11/14 公開  所要時間:約 16分35秒

夫を待ち暇を飽かしているうちに眠りに落ちるイザドラ。夜中にやっと夫が帰って来たと思いきや、どうやらそれは寂しさが見せた夢のよう。夢なら夢でいいとイザドラは思うのですが……。

 いつの間にか微睡んでいた。
 大きな窓の外は月もなく空は閉ざされ真っ暗で、雪が深々と降り積もっている。
 おそらく持っていたステッキが手を離れた違和感で目覚めたのだろう。先ほどまで弄っていた象牙のステッキは毛足の長い絨毯に沈んでいた。
 ずっと暇を飽かそうとリボンで夫のステッキを飾っていたのだが、いくらリボン飾りが流行っているとはいえ、自分でそうする事にはあまり生産性を感じられなかった。
 夫はどうやら、自分に世の妙齢の淑女らしい事をさせたいらしい。
 けれどリボンでいかにして他の上を行くお洒落な装飾をするかという事よりも、その探求心は技巧と……[本文へ »]


留守番する彼

2015/02/28 公開  所要時間:約 22分6秒

一人で外出するというイザドラを快く見送るドゥーベ氏。そしてイザドラは出先でD……伯爵夫人にあんな事やこんな事をされてしまうのですが……。

「本当にお一人で大丈夫?」
 イザドラのしっとりと冷たい手がドゥーベ氏の額を撫でる。だがその慈愛の籠った手は根の深い頭痛を駆逐する事は能わなかった。気圧の変化という自然のなせる御業の前では、人の及ぼせる影響などちっぽけなものだ。
「大丈夫、いい大人なんだから。君こそ気を付けて行ってきなさい」ドゥーベ氏は窓越しに冬晴れの空を見た。「これから天気が崩れる」
「西高東低冬型の低気圧がくるの? こんなに晴れているのに」
 ドゥーベ氏は頭蓋骨を激しく軋ませる気圧の変化とやらに実に敏感だった。
「昼頃には、ああ、多分」
 だから……[本文へ »]




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