Deprecated: Function create_function() is deprecated in /home/e-c-bp/public_html/wp/wp-content/plugins/php-code-widget/execphp.php on line 62    The Honor of Victory | 食べて、呪って、変をして、
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信頼と栄光

2013/09/10 公開  所要時間:約 14分32秒

初の剣闘試合で勝利を収めた将軍に闘技場全体の称賛が飛ぶ。しかし彼が唯一欲しいのは……。

 踵で踏みしめた乾いた土はその苛烈な摩擦で砂を舞い上げた。
 観客の歓声など聞こえはしなかった。それを掻い潜って聞こえてくるのはただ自分の沸騰する血流の音と、相手の息遣いと身動ぎの度の音だけ。
 相手は投網を構え、中腰で敵が動き出すのを待っていた。無暗に剣を一振りでもしようものなら、その投網は蜘蛛の糸のように絡みつき、活きの良いカジキを腕から奪い取るだろう。そして体勢を崩した所を、腰に佩いた蛮刀で一薙ぎ。そして胴体は永久にその司令官を失う。
 今日が初めての剣闘試合である下級新人剣闘士、セジェルは自身がそうして地面に倒れ伏す瞬間を一瞬予見した。
 得物を……[本文へ »]


敗北と価値

2014/10/06 公開  所要時間:約 11分26秒

獅子との戦闘で瀕死の重傷を負った将軍。将軍の主人は彼を甲斐甲斐しく看病する。多分、金のために。

 セジェルの真向いの鉄格子が耳障りな音を立てて開いた。
 暗がりの中からゆっくりと円形の陽光の下へ現れた対戦相手の息はまるで獣のようで……いや、正真正銘の獣だった。
 わかってはいたが勘弁願いたかった。
「ちょっと大きな猫だと思えばいいじゃないの」
 セジェルの主人である小娘は膝に肥えた老猫を抱えて事もなげに彼に言った。
 あいつは何も分かっていない。猫だから厄介なのだ。セジェルは娘とのやり取りを思い出して顔を顰めた。
 猫という生き物は気に食わなければ主人にだって爪や牙を剥く。
 素早く走りしなやかに飛び、仕留めた獲……[本文へ »]

戦友と報酬

2016/04/15 公開  所要時間:約 16分42秒

剣闘試合で幸運にもかつての部下と再会する事ができた将軍。将軍の主人は悩む事なく大枚はたいてその部下を買い戻す。その行為に報いねばならないと思った将軍は礼を言いに行くのだが……。

 実にやりにくい試合だ。
 そう思いながらもセジェルは鉄兜の繰り出してきた剣を弾き、その胸を覆う鉄板の中心を蹴り飛ばす。得物を弾かれて体勢を崩した所に体幹の衝撃が相まって、鉄兜はどうと地面に仰臥した。
 大ぶりなだんびらも鎧をまとった身体も重かったが、高揚して力任せに飛び込んでくる敵を往なすのはセジェルにとっては容易い。長の研鑽と天賦の才の前に付け焼刃はひれ伏すしかないのだ。
 だからこそここまで死なずにやってこられたし、今日だっていつも通りに勝つはずなのだ。だが一人倒しただけでは終わらない。やりにく……[本文へ »]




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