このめでたい門出の日に - 4/5

「ふおっ、おあっ、ア、あぁ、なんっ、んんっふ、これ、あ゛ーッ」
 肉棒が重みを増した事で、騎士長は自分が快感を覚えているとやっとわかった。偏に王女に攻め込まれているせいだ。他の者ではこうまでなるまい。尻を検められて感じ入るなどと。
 指の腹で肉環をこりこりと解されると、肉棒から先走りがだらしなく滴る。
 肉粘膜は王女の指を旨そうに食み、嫌がる素振りはない。腰は知らず知らずのうちに扇情的に緩やかに撓み、誘いをかけているようだ。
 今や騎士長の中は王女を受け入れる準備が整いつつあった。胤壷として大成しかけていたのだ。あとは実際に王女を迎え入れ、その形に慣れるのみ。
 王女は騎士長の中で二本の指を広げた。肉穴はそれに大した抵抗もせず、されるがままにぱくりと開いた。まるでもっと太いものを欲しがるかのように。王女の躾に随分と馴染んでしまったのだ。
「随分とこなれたようですね。そろそろ入れます」
「おっ、お、おっ、だ、だめ、です」
 身体は次を欲して準備万端であったが、まだ理性はそれを拒んでいた。
「いやよ、ここまできて」
 王女は騎士長の尻を開き、穴の周りを肉棒の先端でなぞった。そうされると騎士長の理性の方も甘ったるく蕩けてくる。
 このまま緩やかに愛を交わせるのであれば、理性など飛ばしてしまっても構わないのではないか。そう騎士長が思った時だった。
「あ゛あ゛ーっ、あ゛、ンオ゛ォッ」
 騎士長の唇から舌がでろりと垂れ、涎の塊が吐き出される。
 王女の肉棒に性急に穿かれたのだ。王女のそれは騎士長の物ほどではないが、それなりの逸物だ。そんな物に一気呵成と攻められれば、その衝撃たるや計り知れない。
 太竿に広げられた肉環がどうにかそれを押し出し元に戻ろうと蠕動運動を性急に繰り返す。しかし足掻けば足掻くほど王女の肉棒の頑健さをまざまざと感じさせられ、隷属の気が満ちる。
 騎士長の体躯は人の何倍もあるが、尻の穴の許容は人並みだった。
 王女は腰を動かし始めた。だが騎士長の尻がしっかりとその肉棒を掴んで離さないせいか、満足のいく突き込みは出来ないようだった。
「あっ、やん、きついわ、きついのよ、騎士長殿、すごく……あふ、もっと力を抜いて。でないとわたくし、動かす前に出てしまいます。そんなのって少し恥ずかしいわ」
 そう言われても、よく鍛錬された身体は勝手に気を漲らせてしまうのだ。
「む、無理、ですっ、う、ン゛っほおお!」
 とうとう騎士長の肛門が耐えきれずに再び脱肛し、無理矢理引き抜かれる王女の肉棒にすがりついてゆく。
「あら、またあなたのおしり、ひどくだらしなくなっていてよ」
 騎士長の尻が自分に順応したせいで余裕の出てきた王女は、激しく腰を動かし始める。
 砲台のように立派で巨大な臀に、よく撓る鞭のような少女の薄い腰が打ちつけられる。
「あっ、あ、アァ、ふあ、ん、も゛ぉ、おぐ、いい゛っ」
 騎士長は涎を垂らしながら濁った喘ぎを漏らす。王女の腰が臀に密着する度に、彼女の肉棒をこれでもかというほど捩じ込まれ、身体が爆発するかのようにかっと熱くなる。そして引かれると名残惜しげにはらわたがはみ出てついてゆく。肉棒で内臓を引きずり出される感覚は実によかった。
 王女も騎士長の絶妙な尻具合のせいか絶頂が近いようで、愛らしい喘ぎ声が漏れる。
「あぁ、騎士長殿、わたくし出る、いっちゃうの……あなたのお尻に出してしまいますわ!」
 その言葉に騎士長の臀が慄く。
 中に出されるなど、それではまるで雌の種壷ではないか! その上、自分は女に出した事がないのに、女に出される経験を先にする事になるなど!
「あ゛っ、お止めください、そんな、中には、や゛、おーッ、ンんっほッ、ほッ――」
 王女は騎士長の哀願など聞き入れもせず、鎚で打つかのように激しく腰を叩きつけ、入りうる限りの騎士長の奥で放出した。
「ふ、う゛……っん」
 騎士長のはらわたにこってりとした王女の胤がつけられる。尻粘膜をねっとりと擦る初の胤付け射精を受けて騎士長は射精を伴わない法悦を得た。その尻とは対照的に締りの悪い駄性器が股間の間でまた放漫に尿を垂らす。
「へ、へひっ、ひ、姫君の胤が、ンあ゛ぁー……私の中に……ぃ、んへ、はへっ、これ、これぇ、しゅご……ぉ」
 騎士長は、へっ、へっ、と情けない浅い息を吐きながら熱く充血した尻粘膜で高貴な胤をじっくりと味わう。その味わい深さからか、視線は熱っぽく遠くなり、惚けた唇の端からは垂涎する。まだ浅ましく王女を咥え込んだままの尻穴はぴくん、ぴくん、と間遠に震え、濃い胤に痺れているようでもあり、まだ胤を欲しがっているかのようでもある。
 王女の胤は量としては騎士長の比ではないが、初めて尻に放出される量としては多すぎた。王女の肉棒が栓の役割を果たしているとはいえ、騎士長の尻は果たして、貴重な王族の胤を一滴たりとも漏らすことなくしっかりと受け止めていた。
 こうして騎士長のはらわたは王女のための性処理用胤壷としての役割を半ば無理矢理押し付けられた。
 騎士長と繋がったまま、王女はくったりと彼の臀に身体を預けた。そして騎士長の全身に胤を行き渡らせようとするかのように、その巨臀を揉みほぐした。力み続けていた臀はその絶妙な力加減のマッサージを心地よく甘受する。
「騎士長殿、素晴らしいわ、素敵だわ、あなたの……」
 王女に労われるように身体を撫でられると、触れられた場所からじんわりと優しい熱が広がる。
「ケンタウロスは、はじめてです」
 王女は唇に手を当てうっとりと呟く。
 騎士長は引きちぎれそうなほど首を後ろに向け、王女を見た。
「ケンタウロス“は”!? なっ、で、では、他の者ともした事がっ!?」
 見た目だけは若々しいエルフの宮廷魔術師長か、それとも山師のようなドワーフの錬金術師か、鼻持ちならない人間の遊楽師、いや、あるいは男から見ても惚れ惚れするようなドラゴニュートの近衛連隊長とかもしれない。もしかしたらフェアリーや魔傀儡の侍女達と女どうしで……。
 いみじくも我が姫君ながら、なんと、なんといかがわしい!
 騎士長の身体と欲望が邪な妄想にはちきれんばかりに膨らむ。
「ケンタウロスとが、はじめてです」
 危うく湿っぽい女同士の交わりを妄想しかけた騎士長はその言葉にようやっと正気に戻った。それでも淫らな熱には浮かされて、正気と言えるかどうかは微妙なところであったが。
「言葉尻を捉えるのはやめてください。礼儀作法の教師を思い出してしまいます」
 王女が騎士長を黙らせるかのように再び腰を動かし始める。
 先に出された王女の胤が騎士長の胤壷の滑りをよくしているようで、先程よりもその動きは幾分か穏やかだ。苛烈さはなりを潜め、余裕と気遣いというものが感じられた。
「あ、ああ、姫……」
 胤壷を円熟した動きで擦り込まれ、騎士長の肉体に再び火が灯る。
 奥まで突き入れられ開拓された肉道は、しかし杭が引き抜かれればすぐにぴたりと閉じ合わさる。そのために次の突き込みの時にはまた初々しい開拓の悦びにうち震える事になる。
 王女の行為は幾分か穏やかとはいえ、不慣れな騎士長の感覚は昂りやすい。大きな臀を揺すり、王女に大胆に押し付け、濡れ落ちた喘ぎを上げる。姦通を知ったせいか、騎士長の腰の動きにはどこか淫靡な色気が滲んでいた。
「うお、おっ、おお、ン、んんーッ」
 軍馬の逞しい身体がか弱く震える。肉に宿った炎はちりちりと神経を焦がす。
 騎士の長にして王の気高き軍馬、愚かな程に高潔なるケンタウロス族だというのに、なんと不埒な事だろう。騎士長は今の己の置かれた状況を嘆くが、しかし敬愛する王女がそれでよしと思っているのであれば構わないだろうとも思い始めていた。
「んおっ、お、いいっ、姫君、っあ、そこぉ、そこです、もっと、ン、突いてくだ、さっ、ひいぃ、このデカい霜降り馬肉臀で、貴女様専用胤壷の壷首で、しかと、しかと締め付けますゆえぇ」
 そして素直に喘ぎ、淫らな懇願をはじめる。まるでいつもの性妄想の中の王女が乗り移ったかのようだ。
「なにで突いて欲しいのです。あなたがいつも構えていらっしゃるランスで。それとも、お腰に下げていらっしゃる弩で。星のようなメイスで、鈍く輝く剣で」
「ン、ん、姫君のご立派な……ッ、姫君ペニスっ、おひめさまちんぽ!」
 自らの発した淫語が自分に跳ね返ってくる。自分がかくも変態的で低俗で品性下劣な言葉を発しているという事が己を責め苛むのだ。
「姫君ザーメンでこの駄馬の私めを、あっあ、ああっ、め、雌馬にしてくださいッ、どうか! それ以外ではっ……この淫乱馬肉、使い物にならんのですッ」
「まあ! なんて下品なの。いつもの騎士長殿ではないようよ」
 そう批難はするものの王女も騎士長の痴態に感じ入り、れっきとした雄馬の尻への攻め苦を強める。
 胤壷の泣き所をずんっ、と王女の肉槍で突かれ、騎士長は喉を反らして嘶く。
「かほおオぉンっ、いいぃンッ、くほっ、姫君ペニスきたあぁン……ッ! そこぉ、そこ滅茶苦茶に、溜め突き食らわせてッ、乱暴に、ッンん゛――っ」
 しかし王女を堪能するだけでなく、きちんと馬並みの締め付けを返してやる事も忘れない。そうすると王女の馬殺しの肉槍の凶悪さをよりまざまざと感じてしまい、背筋が激しく反り返り、ビクンビクンと痙攣する。
 想定外の方向に想定以上の外力を受けて、一分の隙もなく着込んだ硬い鎧が頼りない音を立てる。鋼鉄の鎧をその肉体だけで内から壊しかねないというのだから、ケンタウロスの筋力と胆力たるや恐ろしいものがある。
「騎士長殿、わたくしは先ほどの接吻で気持ちをお伝えしましたわ。あなたのお心もそろそろ返してくださいな。身体はわたくしを求めていらっしゃるようですが、そのお心は。どう思っていらっしゃるのです、わたくしの事を」
 今聞く事ではない、かつ聞かれたくない事ではあった。なにせ平常心ではない。それでも騎士長は努めてその問いに真摯に答え、その行為に応えようとする。