天に身を任せる事無く、浅ましく両手で好機を掻き寄せ、そしてどんな手を使っても、一度掴んだ好機は絶対に逃さない。
娘にはそうした据わった根性があった。
「手順を乱すな、躾を施したいのならいつも通りにしろ」
紅潮した顔で睨みつけながら、高潔なるエジプトの栄誉将軍は主人に命令した。
この娘にすべて委ねてみてもいいのかもしれない。
セジェルがそうした親近感にも似た感情を抱くようになってしまったのは、どうにも避けようのない事だった。
身体中が娘を求めて波のようにうねり、放出したばかりだというに、股間の一物は硬く太く勃起し、快感への準備は万端だった。
「栄誉将軍の命令だもの、恭順しなければいけないわね」
セジェルの腰の奥は鈍く疼き、確かな存在感のあるもので制圧されたかった。そして欲望の証を注ぎこまれ、身も心も隷属させられたかった。
「そうでしょう、セジェル将軍」
結局は最後までされないと物足りない、卑猥な癖のある身体にされてしまったという事だ。
「それによく言うわ。据え膳食わぬはなんとかの恥と」
娘はゆるく勃ち上がった陰茎を自身で扱き、セジェルに見せつけた。
テーブルは丁度娘の腰の高さで、横たわるセジェルを抱くのにうってつけだった。
「あなたが淫乱だからわたしあなたをこれから抱かなきゃいけないのよ」
非難がましい口調で言われ、セジェルは横たわったまま声を荒げる。
「違う、お前が俺をこんな風にしたんだ!」
「あなたに素質があるからこんなになっちゃったのよ。わからない人ね」
卵が先か鶏が先かという話ではあるが、娘の言葉は確実にセジェルの矜持を苛む。
「うぐ、くうぅ……」
「まあどっちでもいいわ。将軍さまの命令には従わなきゃ」
娘がセジェルの大腿を押し上げる。セジェルはされるがままに、自身でも脚を広げ、膝の裏に手を入れてそれを押さえる。
これも娘の躾の賜物であった。
薬を盛られていたとはいえ、最初はその行為は屈辱的であった。しかし今は素面の状態であっても、最後の労いを欲しいがために、そして背徳的な行為に溺れるために、こんな事も出来るようになってしまっていた。
「従順ね」
倒錯しすぎてもうどちらがどちらに従順なのかわからない。
つー、と内腿を人差し指で撫で下ろされ、セジェルの腰が震える。
「はっ、はやく終わらせろ!」
情けなく晒された肉穴は期待にひくつき、娘に早く凌辱してくれと懇願している。
そこに娘の二本の指が突っ込まれ、中で開かれ肉壺を無遠慮に広げられる。
ねちぃ……、と淫らな開口音が響き、そのどどめ色の熟した肉襞が晒された。
「やあねえ、物欲しそうにひくひくしてるわ」
「ひ、いい、やめ、見るなっ! 抜けええぇっ」
娘の視線が肉襞を焼くのに耐えられないセジェルは叫ぶ。
「さっさと犯せってことね。じゃあ慣らさないけど泣かないでね」
ぎゅぽ、と娘の指が抜け落ちる。
「待て、そうじゃない!」
セジェルは慣らさず挿入される苦痛を思い、上体を起こして腰を退くが手遅れだった。
ごちゅっ、ぐぽおっ!
「違――ぐがあああああっ!?」
狭い肉壺が強引に肉碑で広げられ、鳩尾を頂点とした芸術的なアーチを肉体で描き咆哮する。見開かれた目の中で瞳孔は散大し、開け放たれた口はだらりと唾液の塊を吐いた。
「自分で言った事よ」
娘は非情にもすぐさま律動を開始した。
ばちゅっ、ぐちゅっ、ぱん! ぱん!
腰が容赦なく触れあい、ごつい肉碑がぬかるみに打ち込まれる。
「がはっ、こおおぉっ、お゛、ほおおぉおっ、や゛、や゛め゛っ……死ぬっ、ぐがっ、死ぬううふうぅんっ……!」
無理に開かれ凌辱されているというのに、どこかセジェルの声は甘い。肉壺も傷つく事無く娘の極太の肉棒を受け入れていた。
「もっと意地悪してもよさそうね」
「や、いやだ、無理、無理だあぁっ」
勢いよく頭を振って否定するセジェルの腰をしっかりと掴み、娘は彼の泣き所を狙って突き刺す。まるで鞘から剣を抜き差しするかのように。
づぷっ、どちゅっ、じゅぷっ!
「あ、あああっ、激しいぃいっ! やめてくれええええっ」
腰のあまりの早さについていけない肉襞が狂ったように痙攣し、凶暴で凶悪な愉悦がセジェルの背筋を駆け抜け無残に踏み荒らす。
「こんな屈強な軍人さんがか弱い女に凌辱されるなんて終わってるわね。もう栄誉将軍だなんて口が裂けても言えないわよ。剣闘奴隷でもないのよ、肉奴隷。極上の雄肉奴隷なの」
娘は腰を激しく突き上げながら言葉でも凌辱する。
「ひ、い、俺は、俺はぁぁ……」
誉れ高きエジプトの栄誉将軍なのに!
セジェルの言葉は激烈な猛攻に呑まれた。
「それにここをこんなにして悦んで」
突き上げの衝撃が腰に走る度に揺れて涙を流す黒く太い肉棒を扱かれる。
「使いもしないのにね。これまではさぞ女を悦ばせたのでしょうけど、今じゃ役立たず。残念、折角ご立派なのにね」
奴隷となってから、何度肉棒に無理矢理精を通されただろう。数え切れないが、一度として女の中で果てた事はない。女の絶頂に震える子宮に噴き上げ孕ませるためにある濃厚な胤は、毎度無駄に虚空に放出させられた。その上時には自分の舌で汚れた床の後始末さえさせられたのだ。
「今はこっちの方が好きなんでしょ。女を犯すより、犯される方が。ね、雄肉奴隷さん」
「あ、ううう、違う、違う俺は、俺は栄誉……んぐううぅう!」
言葉と裏腹に、もっと苛めて欲しいと肉襞が媚びるようにうねる。
そのせいでまざまざと娘の野太く長い肉碑の形を思い知らされ、抵抗の意思が削がれていく。
「はっ、んはっ、っは……は、はふ、っあ」
喘ぎ声は裏返り、情けなすぎて両腕を顔の前で交差して泣き顔を覆う。
「お腹の中がわたしに媚を売ってるわ。男娼みたい。ああ酷く淫乱」
「ああっ、ぐああ、いくううっ!」
聳える肉碑を打ち込まれ、制圧平定されるようなせり上がる快感にセジェルは泣き叫ぶ。
「いいわよ。お汁無駄にしてしまえばいいの。自分の腹筋に胤をばら撒いて」
睾丸と棹を手で一度に締めあげられ、肉壺の奥には卑猥な肉の膨らみが押し付けられる。
「ふが、あ、んごおおおおっ――!」
ぶちゃっ、どぷぷっ。
またも己の大地を思わせる赤銅色の肉体に精液をびちゃびちゃとぶち撒けてセジェルは気をやった。
どぽっ、ぼびゅっ、とぽお……。
一方で腹の底に注がれる、こってりとした熱い胤はその勢いをなかなか失わない。
「はっ、は、んあ、はぁっ」
自身の射精が終わっても注がれ続けるそれに引きずられ、セジェルの絶頂も無理矢理引き伸ばされる。
「どうお? 子宮に直接どっぷり注がれる感覚は」
「あ゛っ……?」
注ぎ込まれる度に繰り返し植え付けられた、雌としての新しい感覚。それをまた思い出させられ、セジェルの瞳が混乱に揺れる。
「が、あ……めろ、やめろ……くひ、やめてくれえぇ、孕む、ぅ……」
娘の胤汁はセジェルの疲労に震える肉襞に絡みついて、彼を確実に孕ませようとしている。今の混乱した彼にはそう思えたのだ。
「やなの? 嬉しそうに搾り取ってるけど。てっきり孕みたいんだと思っていたわ。でもどうせあなたの胤は使えないんだから、せめて孕むくらいしなきゃ」
被虐に屈したセジェルの肉壺は、すべてを諦めて絶対強者たる雄をくちゅくちゅと揉みしだき媚まくっている。
「孕みたくないぃ、敵兵の、穢れた胤汁でできた赤ん坊なんぞおぉ……」
すっかり雌と堕ちた栄誉将軍はぼんやりした泣き顔をゆっくりと振る。
「ふふ、もう遅いわね」
腹筋を撫でられながら耳下で嬉しそうに囁かれ、セジェルの頭がゆっくりと腹の方に傾ぐ。
「あ゛……う、そだ……っ!?」
堅牢な巌のような腹筋は内側から大量の胤汁によって薄くぽっこりと持ちあがっていた。まるで本当に孕んでしまったかのように。
「ひ、い……あああああああっ!!!」
セジェルは男泣きしながら涎を垂らして狂い果てた。
「は、っあ゛ー……ん」
惜しげもなく屈強な肉体を晒し、腰が踊る。
セジェルは寝台に横たわった娘の上に跨り、雌の本能で雄胤を求めて緩慢に腰を振っていた。
低く太い声は昼間の張りを無くし、濡れて乱れて蝋燭のほの灯りで照らされた宵闇に蕩ける。
「うふふ、出すわね」
娘がくいっと腰を打ち上げて押しつけ、絶倫の肉剣を肉鞘に収める。
氾濫する白い本流がセジェルの中を占領し、舐め上げ、絡みつく。
「あぅ、は……んお、あ」
雌堕ちしたセジェルは相貌をだらしなく崩して、肉壺を満たす胤に恍惚して力なく喘いだ。
何度も絶頂を味わわされた重たい肉棒は今やゆるく勃起したまま、ぱっくりと締まりなく開いた口から勢いを失った無用の駄胤汁を断続的に、そして放漫に吐き出し続けている。
娘の白く滑らかな腹にびちゃびちゃと降り注ぐ胤汁は、汚れた精液溜まりとなり雄の臭気を放つ。
「ふお、ほ、あああ……」
セジェルはその臭いに中てられながら被虐に震える己の下腹部を押さえ、子宮の役割を押し付けられた腸の中で渦巻く、娘の強い雄胤に感じ入る。
見た目はまごうかたなき精悍な男であるというのに、肉壺の中は淫らな雌。今となっては爛れた肉の法悦に溺れ耽るのみ。
「触ってないのに、お尻の快感だけで出ちゃうようになったのね。やらし」
含み笑いを漏らしながら娘はセジェルの胸板を押した。
セジェルは力なく腕を投げ出し、ぐったりと寝台に沈んだ
「ずっとみっともなくだらだら垂らして悦んじゃって。でもいきっぱなしも辛いでしょ、そろそろ本当に逝かせてあげる」
細い腰を矯め、慈悲の一撃で引導を渡そうとする娘にセジェルは哀願する。
「頼む、優しくしてくれ……ぇ。でないと、狂う……。優しく、して、くださ……」
「いいけど、それはいっつも恥ずかしがるじゃない」