生贄の羊 - 2/5

「不衛生の極み」
 そう言いつつもラムは手触りを愉しむかのようにエフの短く刈り揃えた頬と顎の髭を撫でながら唇を啄んでくる。少し唇を開けて舌を差し出せば、相手の小さな舌が先端を舐めて、可愛らしく吸い付いてくる。肌と粘膜の接触している部分から愉悦が湧き立ち、堪らず笑いが漏れてしまう。唇を塞いでいるせいで空気は鼻に抜けて、相手には嘲笑に聞こえたようだった。
「鼻で嗤うのはやめてください。最近子供達が真似するようになりました。気分のいいものではありません」
「はいはいはいはいわかったわかった悪うございましたよ、もうしませんよ。けど今のはそういうつもりじゃあなかったんだって」
 エフは宥めるようにラムの背に腕を回して不機嫌に強張った身体を包み込み、小ぶりな尻や骨っぽい腰に手を這わせる。無駄な脂肪がなく、というか必要な肉すらなさそうな細い身体。本当に発育途中の少年のようで、邪な事をするのが憚られてくる気もする。
 しかし腕の中の身体が穏やかに緩んで、嫋やかな手がエフの灰色の顎髭を辿って頬やこめかみに深く刻まれた向こう傷を撫でてくると、そんな気の迷いは氷解する。完全に自分に身を委ねて、優しげに触れられると覿面に効く。常日頃からこういう態度なら竿がついていても萎えないんだがなあ、とエフは思う。
「やる気になってきたか?」
 だが一方のラムはというと、突然雷に打たれたかのように手を引っ込め、自身を抱く男から身を引き剥がそうとする。
「やってしまった」
「唇くっつけたくらいで何だ。おぼこってわけでもあるめえし」
 自分から挑みかかり唇を奪っておきながら、まさか本当に初めてだったら悪い事したかもなと少しばかり罪悪感を覚えてしまう。しかしそんな湿っぽい気持ちも束の間のもの。
「雰囲気に流されて、不特定多数と淫行に及んできたであろう汚染された粘膜に接触してしまいました。ここで重篤な病気に感染したら困ります。抗生物質なんてありませんから」
 エフの額に一瞬にして隆々と青筋が迸る。まるで稲妻。
「お前失礼すぎるだろ! 最低だぞ! 謝れよおお!」
「すみませんでした、傭兵さん」
「許さん!」
 エフは口先だけで白々しく謝るラムを抱えて卓に乱暴に横たえる。そして自身もそれに乗り上がり、されるがままに脱力して仰臥しているラムを跨いで覆い被さる。
「食卓が汚れます」
「後で拭きゃあいいだろが」
「心理的な穢れは物理的に拭えません」
「じゃあ僧侶呼んで祝福させる」
「私の信仰する宗派でなければ焼石に水でしょう」
「邪教だろ」
「神道です。日常においては。ちなみに結婚式はキリスト教式で葬儀は仏教」
 エフは盛大に舌打ちする。
「あァー意味わからん、めんどくせえなァ、ほんとに、ぐちゃぐちゃと、女みてえによォ」
「女です。それとも男としたいんですか」
「はァ?」エフは目を泳がせてたっぷり困惑してから言う。「……わからん」とりあえず組み敷いている半陰陽をどうこうしたいのだ。
「なるほど、よく分かりました」あなたが浅慮だという事が、とでも続くのだろうか。
 忌々しい気持ちのまま男物の服のボタンを毟るように外して女の肌を薄暗がりに晒す。赤橙色の炎が裸体を舐めるように照らして陰影を色濃くする。痩せぎすで肋の浮き出た薄い身体だった。食指が動くかどうかの観点で見れば十人並み以下だ。前はもう少し肉付きよかったような気もするが。
「飯食えよもっと」
 思い起こせば食事の時間もラムは配膳ばかりをして、合間に口に入れているのは肉や魚の皮くらいなものだった。後で子供らと同じものを食べているのかと思っていたが、おそらくそうではないのだろう。
「金属石鹸を作ると脂肪の燃焼が激しいんです。あと偏食で」
「カニなら食うのか?」
「たくさん脱皮した高級なやつなら」
「可愛くねえなあ」
 無骨な手が一角獣の角のように透き通った肌に吸い寄せられる。痩せ細った身体それ自体の抱き心地は良くないが、毎日石鹸でごしごし洗っている割には肌艶は良く滑らかで、いつまでも撫でていられそうな程。
 これでもう少し愛想がよくて生き生きとして警戒心が薄かったら、転移してすぐ騙されて捕らえられて売り飛ばされていただろう。転移者の、それも半陰陽となれば法外な値がつく。それこそ傭兵稼業などでは一生かかっても支払えない程の。
「可愛くなくてよかったな」
「ああ、はあ、そうですね」
 エフはラムの訝しげに傾げられた首に顔を埋める。耳に息を吹きかけて、首筋に舌を這わせる。清らかで滑らかだった。今まで味わったどんな肌よりも。
 堪らず身を寄せ剥き出しの肌同士をすり合わせる。その雄々しく荒れた肌を懐深く受け入れてくれる半陰陽の妙なる肌。同じ生き物とは思えない程性質の違う肌が混ざり合う。ひどく心地よかった。
 こんなものが、男とか、ましてや女とかいう括りのものであってたまるかと思った。化け物だ。魔性だ。
 組み敷いた相手はまったく動きもしない。胸が呼吸に隆起する事もない。もちろん肌が上気する事も。こういう事に慣れていないのか、あまり激らない性質なのか、いつも通り眠そうに曇った目で、ぐったりとすべてに身を任せ、まるで浜に打ち上げられた人魚の腐乱した死骸だった。
 ただ人魚と違うのは下半身は二本脚どころか三本脚、といった点。
 上半身を擦り合わせようとすると下半身も同じようになるわけだが、そうなると否が応でもラムのそれと己のそれが触れ合ってしまう。硬くそそり立った互いの屹立が服越しに絡み合う。
「畜生、くそが、なんだこれは……」
 竿があると思うと萎える、と思っていたのにどうにもおかしかった。まったくそういう兆しがない。精神を裏切ってエフの肉体はそれを望んでいるのだろうか。
 どちらからともなく、はあ、と幽かな吐息が漏れる。一方は困惑の、もう一方はおそらく快感の。
 名残惜しさを引きずりながらもエフは吸い付くような女の肌から己を無理矢理引き剥がした。そしてラムの下衣に手をかけ、前を寛げ雄の象徴を探り出す。窮屈に押し込められていたそれは、もう十分出来上がって筋張り硬く雄々しい。
「あァー、うわあ、何が女だよ。こんなもんぶら下げやがってよ。全世界の男に謝れ」
「すみませんでした、傭兵さん」
「俺にじゃねえッ! 俺は謝ってもらうほど小さい男じゃねえんだよ!」
 吠えながら自分も服を脱ぎ捨て下半身を露出するが「くそ、なんなんだよ、こんな時に……くそがッ!」ラムの巨根を目にしてあてられたエフのそれは今更ながら雄の役目を放棄して萎え切っていた。
「長い人生そういう事もありますよ」
「慰めはいらねえのよ。どうせお前に使う気はなかったし、別に……」
「拗ねないでください。仕切り直しでもいいですよ。それまで私はどこにも行きませんから」女の手がエフの硬く荒い肌を撫でる。その触れ方は本当に優しく穏やか。「本当に」
「だからそういう適当な慰めはいらねえって。惨めになるだけだってわかんねえのかな」
 ぶつくさぼやいた後、エフは行為の続きに没頭するためにラムの後頭部や肩を抱いて自身に引き寄せる。掌全体で小ぶりな胸を支えて、ささやかに増した膨らみに唇で触れる。若々しく弾力に富み、触れている手や口唇を余す所なく悦ばせてくる。
 ラムもそれに応えるように彼の広い背を愛撫する。背の筋の流れに沿ってその手が急峻な肩に移り、そして手甲に覆われた彼の肉付きのよい腕にかかる。
 そこはまずい、とエフの頭が瞬時に冷えるのと、手甲の内側に仕込まれた匕首をラムが器用に機敏に取り出したのは殆ど同時だった。
「あぁ……抜かったなァ……」
 それは匕首の存在をこの瞬間まで見抜けなかったラムに対してではなく、最後まで隠し通せなかった自分への言葉であった。
「ああ、はあ、そうですね、抜かりました。ここまでクリティカルな殺意があるとは」
 石の刀身と同じくらい真っ黒な瞳がエフに注がれる。そこに怒りや恐怖は見えない。
「お前がどうしても出てくって言うんならやる以外ねェよな」誤魔化しても仕方がないので包み隠さず白状する。「もし敵国にでも行かれちゃ堪ったもんじゃねえだろ。いいか、余所者ってのは黙って真夜中に立ち去るもんだぜ」誰が惜しむ訳でもなく、寧ろ恨み言すら投げつけられるものなのだ。身に染みてよくわかっている。だからツケや借金の類は残して行ってもいいと思っている。
「その点については考えが足りませんでしたね。次からはあなたの流儀に倣おうと思います」ラムは手中の石の得物を興味深げに矯めつ眇めつ眺めながら続ける。「あなた器用ですよね。石器時代の代物というよりは、まるでアステカの儀式用の短剣みたいで……気に入りました」
 明らかな殺意を向けられれば流石の異世界人もエフを排斥抹殺するかと思われたが、反応は鷹揚なものだった。安堵するべきか、舐めた態度に苛つくべきか、傭兵の情緒はひどく混乱する。
「これで喉を掻き切るつもりでしたか」匕首を手にしたラムはその波打つ刃を自身の喉元に向ける。「動脈を切り裂くとか」そして耳の下から鎖骨にかけて切っ先を滑らせる。「それともやっぱり儀式らしく心臓を」そのまま刃先を両の乳房の間まで下ろしてぴたりと止める。「抉り出すんでしょうか」鋭い刃の通った後には細い線状の腫れが浮かんでいた。
 己が身を刃に捧げるような行為はどこか妖艶だ。剣呑な振る舞いをする半陰陽は珍しく生き生きとしている。生白い肌と薄桃色の浅い傷跡の対比もまた艶めかしく映って何から何まで目の毒だ。エフの混乱は益々深まる。このまま放っておけば自分で自分の心臓を抉り出すのではないかと錯覚してしまうほどに。
「ガキが、刃物で遊ぶのはその辺にしとけよ」
 エフは細い手首を掴む。強く握りすぎて勢い余った刃が生白い肌を浅く突く。針の先ほどのほんの小さな傷口にじんわりと湧く血の珠。
「切れ味抜群ですね」
 痛いとも、病気になるとも喚かず、それどころか自分の怪我にさえ一瞥もくれずに言うラム。
「すまん」いかなエフとて流血沙汰とあっては素直に謝る他にはない。「悪かった」
「大丈夫なので、そんな顔しないで下さい」
 どんな顔をしているのか、自分ではよく分からなかった。
「言っとくが今はもう殺す気はない」元から無きに等しかった。「気に入ったんならそれはやるよ」
 ラムはややしばらく匕首の刀身を舐めるように見つめて、それからエフに視線を移す。
「あなたが持っているべきかと。私にはいつでもあなたを殺せる力があるんですから、あなたもそうでないとフェアじゃないので。さながらダモクレスの剣です」このナイフではなく、あなたそのものが、とラムは匕首を元あった場所に差し入れる。エフの素肌に触れる冷たくも肌によく馴染む石の感触。目の前の半陰陽の肌身のように。
「それに私を仕留めるためだけにあなたが作った武器で殺されるなら、それはそれで」冥利に尽きます、と吐息混じりの声が言う。寧ろ殆どが吐息で言葉など空耳かと思うほど幽かなものだった。しかしそれはかなり鋭く深くエフの心臓を突いた。
 エフはずっと抱きついたままだったラムを突き放し、再び己の下に仰臥させる。
「ったくよォ、調子が狂って仕方ねえよ」
 エフは己の尻を割り、覚悟を決めて一つ深く息を吐き指を差し込む。仕込んできた蜜蝋が熱で溶けて頃合いよく臓腑が潤って、来る前に半固形のそれを突っ込んだ時より抵抗はない。とはいえ入れるための場所ではないという心理的な抵抗は未だ激しい。
「っ……う、ふー……ッ」
 羞恥に心臓が躍って、噛み締めた唇のごくごく狭い隙間から細い息が鋭く漏れる。
 こんな行為をするのは初めてだ。いくら金のため、なりふり構わないからといって、自分から腑を拓いて差し出そうとするなどと。
 蜜蝋を塗り込めるため、ゆっくりと指を引き出して、そしてまた埋める。不快感に腹が捩れ、傷痍したように熱くずきずきと疼いてくる。指を伝って蝋が垂れてラムの肌に滴る。汚いと謗られるかと思ったが。
「黒曜石の短剣といい、これといい、用意周到ですね。あなた粗野な見た目によらず案外細やかだしマメなんですよね。だから強いしモテるんでしょうね」
「馬鹿にしてんのか」
「いいえ」ラムはゆっくりと頭を横に振る。「本当にそう思ってます。私にここまでするのは勿体無いですよ。いいんですか、本当に」
「今更ごちゃごちゃと、めんどくせェな。そう思ってんなら有り難く味わいやがれ。どうせこういう事する相手もいねえんだろ」
エフは腰を沈め手で固定したラムの屹立の先端を肉穴の縁に当てがう。蜜蝋なのか、彼女の期待の欲液なのか、どちらか分からないがぬるりとした濡れた感触が粘膜の入り口を苛む。
 いきんで更に腰を進めれば、つるりと丸い亀頭は簡単に最初の関門を潜り抜ける。開かれた肛門がそのまま異物によって閉じられない感覚は何とも言い難い。不快感も、もちろん心地よさも、どちらも受け取る余裕はない。
「うぐ、ぅ……」
 しかし膠着していても埒は明かない。奥歯をきつく食いしばり、迷いなくエフは腰を落とした。
 触れ合う肌。こじ開けられる肉粘膜。ずしりと奥まで響く衝撃。まるで背骨を砕かれ、脊椎を引き抜かれるような。
「かはッ——お゛、ぅ……い゛って……ェ」
 息が詰まり、玉の汗が肌を掃いて、卓についた腕が震える。視界は情けなく涙で滲む。
「息した方がいいですよ」
「ん゛、わかって、る゛ッ! けど……っ」己の身体なのにままならない、もどかしく、苦しい。辛苦に悶え震える雄の重量級の肉体はひどく淫らだ。
「お゛ォ……中で、デカくしてんじゃねえよ……ッ、バカ野郎……」
「すみません。苦しんでる姿が妙に煽情的に見えて」
 下から手が伸びてきて、エフは誘われるまま倒れこむ。柔らかな胸から伝播する呼吸と背を包み込む腕のお陰で身を吹き荒ぶ恐慌状態が多少落ち着く。
「ふぅッ、うぅ……ん、ひでぇな……人を人とも思ってねえんだろ。異世界人はそーゆー奴ばっかよ、頭ッ、ブッ飛んでやがる……っ」
「はあ、まあ、あなたがそう言うならそうなのかもしれません。あなたも初めてでそんな一気に入れるなんて正気じゃないですよ」
「正気でこんな事やれねえんだから仕方ねぇだろうよぉ……」
「でも気持ちいいんですよね」
「なわけねえだろうが。痛えだけだよ」
「射精しちゃってますけど」
「はァ?」
 エフは身を起こして股間を覗き込む。ラムと自身で挟み込んでいた性器は萎えたままゆるく精液を吐き出して互いの肌を汚していた。
「うそだろ」
 縦に割れた腹の筋を欲汁が緩慢に流れ落ち、密生する下腹の下生えに絡みつく。さすがのエフもそればかりは視覚的に不潔に感じた。
 一方でラムの白い肌を彩り臍の窪みに溜まった白濁は酷く淫らに映る。清廉な物を穢してしまったという背徳感が血腥く胸を炙る。肉粘膜が引き締まり、再び力無いまま情液がとろりと垂れる。
「ああっ、くそ、なんでだよ、止まれよぉ……」
「痛いの好きって事ですかね。意外です」
「そういうんじゃねえよ、刺激でそうなっただけだ」
 有耶無耶に流すためエフは怠く重たく感じる身体を気力で持ち上げ行為を開始する。尻を持ち上げては下げ、慄く内臓で屹立を扱きあげる。異物感はあるが痛みはない。潤滑剤と相手の興奮による分泌液が効いている。あとは……なんとも言えない惨めさが一番効果的なようだ。女のように受け入れ腰を振りたくるしかないこの恥辱に塗れた状況が痛みよりも強かに身を鞭打つ。自分で選んだやり方だが、こんな風になるとまでは思わなかった。
「てめぇもさっさとイけっ、おらぁ。男のケツで無様に射精しろ」
 悪態をついて主導権を握ろうとするが相手はエフよりもずっと余裕そうだ。
「あなたは女のペニスで無様に射精しましたよね」謗るというにはあまりにも興味関心に薄そうな声色だった。ただ事実を述べただけなのかもしれない。
「うるせえっ」
 腰を無闇矢鱈に振りたくるが、相手を絶頂に引き摺り込むというよりは自分を追い込む結果にしかならない。常ならば閉じ合わさっている肉道を自ら抉じ開ける感触には言い知れぬ違和感があった。
「あぁッ、ちくしょ……なん、だよ、これ……っ気持ち、悪ぃ……」
 もしかしなくとも快感の萌芽なのだが、それだけは認めたくなくて頭を振ってその気を追い出す。
 しかしそこにきて下から手が伸びてきて脚や腰に纏わりついてくるものだから、敏感になった神経が逆撫でされてぞわりと肌が粟立ち勝手に熱っぽい息が漏れる。
「あ゛っ、う……むう、触んじゃねえ。余計な事を、いつもいつもてめぇはよ……」
「私を引き止めるためにやってるということは、これから継続的にこういう行為をするということですよね」
「はァ? あァ? ああ〜……うーん、まぁ」何となく一回こっきりのような気もしていたが言われてよくよく考えてみれば「そー、かも? だな……」そこまで考えが及んでいなかった。ここぞという時に詰めが甘いという自覚はある。
「なら辛いよりも心地いいほうがよいのでは」
「だから余計なお世話だよ」
「私はあなたが快楽に溺れて前後不覚になった所を見たいんですが」暖炉の炎だけが頼りの薄暗闇の中、死んだ目が邪にぎらつく。
 下敷きにしていた痩躯が前触れもなく蛇のようにぬるりと上体を起こす。白い腕が無骨な身体に巻き付いて、その唇が胸や肩に染み付き治癒術でも消える事の無い傷痕を癒すようになぞってくる。凝り固まった古傷が解けてしまいそうなくらい気持ちいい。快感を逃そうと無意識に吐息は浅く疾くなる。
「そうしたらいじらしく思って愛着が湧くとかで、ひどく離れ難くなると思うんですよ」
 怒張がみっちり埋め込まれた下腹を優しく撫でられ、内も外もひくひくと震える。臓腑でまざまざとそれの存在を感じてしまう。